デジタル世界に迷い込んだ選ばれし8人の他にあと二人いた?
第4章 デジモンと進化
その夜。俺は小姫の看病をしていた。
「………小姫ちゃん。大丈夫?」
ソラだった。
「………すまん。起こしたか?」
そのためにわざわざ少し離れたところに小姫を寝かせたんだが。
「ううん。寝つきがわるかっただけだから大丈夫よ。それより秋くん大丈夫?私と交互で小姫ちゃんを見ましょうよ。これじゃあ、体を壊しちゃうわ。」
ここで断るのもおかしいな。俺は言葉に甘えることにした。
「じゃあ、先に寝てくれ。時間が来たら起こすから。」
「言ったでしょ?寝つきが悪いのよ。少しお話しましょ?」
にこっと笑顔を見せるソラ。元来どんなやつにも隔たりなく接し、笑顔を向けるソラは学校でも人気者だ。それだけでなくあの八神太一の女房として、学校じゃ知らないものなど小姫ぐらいしかいない。そんなソラとはコウシロウくらいよく話すようになった。
「秋くんって、雰囲気変わったわよね」
「……そうか?」
「ええ。あのクールで無愛想で人とあまり関わらない宮野秋くんが小姫ちゃんのそばを離れないんだもの。その………二人はどんな関係なのか聞いてもいい?」
「……小姫は俺の幼馴染みでもあり、義理の妹だ」
「……義理の?」
「小姫の父親と俺の母親が再婚したんだ。それで。」
この話をあまり続けたくない。俺は話を変えた。
「……ソラこそタイチとはどういう関係なんだ?やっぱり女房とか?」
勿論冗談だ。だが、ソラは顔を真っ赤にして、
「違うわよ!あれは勝手にみんなが言ってるだけで………だ、誰があんな馬鹿………!」
という。………これは冗談でもなさそうだ。少なくともソラからしたら。
「……何ニヤニヤしてんのよ!」
怒られた。