第3章 ♡Episode1♡ 出会い
20●●年4月...
桜が満開の時期、俺は何となくの気持ちで蒼峰高校に入学した。
この時の俺は、特に夢も何もない......
せいぜいバスケをするくらいだった。
「あぁ......クソだりぃ......」
(入学式なんかやってられっかよ......)
他の新入生達は既に教室の外に並んでいた。
そんな中俺は特に並ばず、桜の木の下で寝っ転がっていた。
俺が目を閉じていると、この学校の先公であろう声が聞こえてきた。
「君、新入生の子?
新入生のみんな、もう並んでるわよ?」
誰だよこの先公......
しかも女だし......
「俺入学式はパース。」
話しがグダグダ進むだけだし......
「っもう!みんなと一緒に並びなさい!」
「嫌だ。」
「もう中学生じゃないのよ!?
そんな駄々をこねないで!」
チッ
「るっせぇな......」
(これだから女の先公は......)
「っいい加減にしなさい!」
ぐいっ
「っ!」
女性教師は太輔の腕を引っ張り立たせる。
「っ......」
(女のくせに、馬鹿力......)
目を開いた俺の先公に対する第一印象は
【小さい癖に馬鹿力】......。
この先公、俺の身長から見て155㎝とかそのくらいか?
しかもよく見ると若い先公だった。
制服を着れば普通に高校生に見えてしまうだろう......。
「みんなと一緒に並びなさい!」
先公は自分より背の高い俺を見上げながら言ってくる。
「っ......」