第1章 過去
「だめだっ!お願いだから…それはっ」
だが、彼はやめない。 光の渦がさらに強くなり
天地が共鳴し始める。 地面に亀裂が走り
立っていることすら難しくなった。
「我らが…魂、この地に…封じ……よ」
彼は、もう人の気をしていなかった。
神々しさー。 彼から放たれる莫大な神通力。
まるで……いや、 神が降臨した時のようだった。
「ご…めんな? こうするしか、なかったんだ……」
途切れ途切れの声で、意思を伝えてくる。
生命の炎は消えようとしていた。
だんだんと彼が薄くなっていく。 気が
無くなっていく。