第1章 No.1 ハンター試験
電話のあと
はああああっとため息を吐き
再び電話をとる。
「あ、もしもし、亜季だ。ネテロいるか?」
「ああ、儂じゃよ」
「ああ、久しぶり」
「んで、おぬしが電話とは珍しい事もあるんじゃの〜」
「ああ、ほんと急ですまないんだが今期の試験受ける」
先ほどの電話きいてたんじゃないだろうか?というくらい
話が通ってるのか
「相変わらず唐突じゃな。またなぜ」
ネテロはわかっていながらも聞き返してくる
「仕事の依頼でな、受けるだけならOKだろ?
「ああ、かまわないんじゃが・・・」
「なんだ?他に用件あるならきくぞ?」
「おぬし試験官をやってほしかったのじゃがな」
「それはまた来期にしてくれ、基本的に先着順なのはじいさんがよくわかってるだろ?」
「ああ、しかたないの」
そう、俺の仕事は基本先着順
しかし、同時期や急を要する話だと
報酬の加減で前後することもある。
協会から金を引きずり出すのも申し訳ないので
今回は断っておいた。
「そういうことだから」
「きをつけての」
「ああ」
相変わらず簡素な受け答えだが
内容を読み取る力は人一倍長けていたため
信頼関係を持つパートナーとは
最小限の話しかしない
どこに目や耳があるかわからないからね。