【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第15章 最終日 (それぞれの)
全ての日程を終えて、昼食のバーベキューの時、
赤葦は一人隅に座っている立花に声をかけた。
「立花さん。昨日の怪我は大丈夫でしたか?」
「うん。もう大丈夫。ありがとう。
赤葦君には迷惑かけちゃって、本当にごめんね。」
「やっぱり謝るんですね。」
「あ、ええと……。」
立花は困ったように笑った。
「立花さん、3年生ですよね。」
「うん。そうだよ。」
「がんばってください。
その、受験とか、いろいろ。俺も、部活がんばります。」
赤葦の言葉に、立花ははじめきょとんとしていたが、
すぐに笑顔になった。
「うん。ありがとう。赤葦君もがんばってね。」
「立花せんぱーい、焼きそば食べますか?
持ってきましたよ!」
谷地がそう言って近づいてきた。
「それじゃ、失礼します。」
谷地と入れ替わりで、赤葦は一礼しては戻って行った。
「今の、梟谷の赤葦さんですよね?何話してたんですか?
ま、まさかスパイ行為を働こうと立花先輩に近づいて……。」
急に物騒なことを言い出す谷地に、
立花はちがうちがうと笑って否定する。
「ちょっとね、身の上話、かな。」
谷地は不思議そうに立花を見つめた。