【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第14章 五日目 夜 (きもだめし) 後編
チーム最弱が出発してしばらくたった頃、
澤村と夜久がみんなを連れ戻しにやってきた。
「おい、お前らなにしてんだ!」
「スガまで一緒になって……しっかりしてくれよ。」
「ごめんごめん、でももうすぐ戻るところだったんだって。」
菅原は軽く謝った。
「ていうかどうしてここが分かったの?」
黒尾が夜久に聞く。
「突然大人数が見当たらなくなって、
なんかあったのか研磨に聞いたら、ここじゃないかって。」
「あいつチクりやがったな……。」
「ほら、監督たちにばれたら大変だぞ。早く戻れ!」
澤村に促されて、みんなぞろぞろと戻って行く。
「お、チーム最弱も出てきたな。」
走ってきた日向とリエーフを確認して黒尾も安心する。
「あれ?みーは?」
菅原が日向に尋ねる。
「あれ!?途中ではぐれちゃったかな……。」
日向が今気づいた様子で慌てる。
「しゃーねえなあ。
じゃあ犬岡と山本に回収してもらうか。」
黒尾がそう言って携帯を取り出すと、
「あ、黒尾さん。これで終わりですよねー?」
「おつかれー結構おもしろかったな。」
そこに犬岡と山本が合流する。
「あれ?これってもしかして……。あ、赤葦の奴まさか……」
「ちょっとこれ借りるな。」
黒尾のつぶやきを聞いて、
菅原は彼の持っていた懐中電灯を奪って、走りだした。
「あー……赤葦ごめん……。」
黒尾はなすすべもなくその背中を見送った。