【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第14章 五日目 夜 (きもだめし) 後編
「音楽室ありましたよ。あけますよ。いいですか。」
多少落ち着きを見せてきた日向が指揮を執る。
「ここ、脅かす人がいるんだよね!?
どうする?大丈夫かな!」
「犬岡と山本さんですよね!
あの二人ならどうせ大したことしないと思いますよ。
大丈夫です行きましょうあーでもやっぱり心の準備が」
リエーフの言葉を最後まで聞かず日向は扉を開けた。
そこには至って普通に山本が立っていた。
「おっせーよ。あと、リエーフうるせえ。
そんなに怖がられちゃ脅かす方も気が引けるわ。」
三人はほっとして近づいていく。
「ほら、これ持ってさっさと戻れ。」
花火を受け取って、トランプを渡す。
「犬岡は?」
日向が聞く。
「便所。」
ふーんと三人は頷いて音楽室を出た。
「なんか、最後はあっさりだったね。」
立花がほっとした声を出す。
「ですね。あとは引き返すだけだから安心安心。」
笑顔を見せながら歩いていくと、
突然空き教室の扉が開き、何者かが追いかけてきた。
「うわあああああああああ!」
「きゃーーきゃーーーー!」
「ぎゃああああああああああああああ!!!」
三人は悲鳴を上げて走り出した。
「あ、やば。やりすぎたかも……。」
犬岡は走り去る三人の背中を見て、少し罪悪感に襲われた。
「おう、お疲れ。おいしいなー犬岡。」
山本がやってきてハイタッチした。