【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第14章 五日目 夜 (きもだめし) 後編
「さ、じゃあ次で最後だな。がんばってこい、最弱。」
「がんばるぞー。おー!」
三人は打ち合わせ通り手を繋いで歩いて行った。
先頭の日向が懐中電灯を持つ。
「な、なにもいませんね!いませんよね!」
「日向君前進んで!止まると危ない!リエーフ君につぶされる。」
「あーごめんなさいごめんなさい足踏みましたよね、
立花さんのですか?え?違う?
じゃあ何おれなに踏んだの怖い怖い」
三人はわーわーと騒ぎながらなんとか理科室までたどり着く。
「またずいぶん騒がしい人たちだな。」
赤葦があきれ顔で立っていた。
「今までの人たちのなかで一番うるさいですよ。」
「だって怖いんですよ!
何かしゃべったほうが気が紛れるでしょう赤葦さんはそういうのないんですかなさそうですね羨ましいです!!」
リエーフはそうまくし立てて赤葦にしがみついた。
「ああ、もう……。」
赤葦はリエーフを引き剥がしながら、トランプを差し出した。
「これ持って早く二階に上がってください。
音楽室ですよ分かりますね。」
念を押して赤葦は三人を理科室から追い出した。
しばらくして、気付く。
(あれ?今ので6組目だから最後だったか。
あんなに怖がってたし一緒に行ってやればよかったかな……。)
赤葦は携帯を取り出して黒尾にメールした。
「リエーフたちで最後ですよね。
俺もう戻っていいですか?」
すぐに返事が来る。
「おう。お疲れ。」
赤葦は携帯を閉じて、立ち上がった。