【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第13章 五日目 夜 (きもだめし) 全編
きもだめしはなかなか怖いらしく、
2番3番も悲鳴を上げながら戻ってきた。
谷地は涙ながらに話した。
「立花先輩もぉ!気を付けてください!
なんか暗くてぜんっぜん分からないんですけど。
あ、黒尾さんが、懐中電灯落としたみたいでぇ、一個しかないのに!
それでもう何も見えなくてぇ、ずっと山口君に捕まって歩いてきましたぁ。
あー山口君すごいよーなんで怖くないのー?やっぱり男の子だねー。」
「そう?普通だと思うけど。谷地さん大丈夫?
ほら、もう終わったから泣き止んで……。」
山口がオロオロと谷地をなだめる。
その二人の様子を見て、黒尾は満足そうに山口に声をかけた。
「いやー、我ながらいい仕事したなー。」
「黒尾さん!その懐中電灯どうしたんですか!
落としたんじゃなかったんですか!」
「落としたけど、すぐ拾ったよ。当たり前じゃん。」
黒尾は得意げに手に持った懐中電灯のスイッチを入れて見せた。
(仁花ちゃんには悪いけど、
この人と同じチームじゃなくて良かった……。)
立花は心からそう思った。