【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第13章 五日目 夜 (きもだめし) 全編
「あ、戻ってきた。」
出口から木兎が走って出てきた。
続いて、菅原と清水。
「すげー怖かったなにあれ!暗いしグワってきたしなんなのあれ!ねえ、すごかったよね!?」
木兎が菅原と清水を振り返って同意を求める。
「いやー、俺は結構面白かったよ?なあ、清水?」
「……。」
珍しく顔面蒼白の清水に、菅原は驚く。
「どした?大丈夫か?おーい。」
「別に……平気だから。」
口ではそう言うものの声が上ずっている。
「なんだよー怖いならそういえよなー。
手くらい引いてあげたのに。
うわっ手すごい汗、ほんとに怖かったんだなー。」
菅原が清水の手を取って感心している。
その様子を見て、立花はまた胸がぎゅっと締め付けられるのを感じた。
堪らず目をそらす。
(こういうの、やだ。やきもちとかありえない。
私はただの幼馴染。そんな権利ない。)
自分に言い聞かせる。
すると、そっと手を握られる。
「立花先輩、大丈夫ですか?
俺も正直怖いですけど、ほら、ちゃんと手つないでますから。」
日向がそう言って笑って見せた。
リエーフも立花を励ます。
「そうですよー俺もいますからね。」
日向とリエーフの顔を見て、
立花はトゲトゲした感情がすうっと引いて行くのを感じた。
「うん。なんか癒された。ありがとう。」
そう言って笑った。