第13章 五日目　夜　（きもだめし）　全編

赤葦は一人真っ暗な理科室で待機していた。

暗い場所もお化けも怖がるタイプではないので何も問題はない。

こんなことに付き合うつもりはなかったのだが、
また悪ふざけが過ぎて自分のしらないところで何かあっても嫌なので、
渋々参加した。


ふと、赤葦は昼間のことを思い出す。

午後、烏野との試合があった。
梟谷が勝った。そのほんの少しの合間に、
立花はやってきて赤葦に短く謝って行った。

自分の勘違いで失礼なことを言ってしまい、申し訳なかった、助けてくれてありがとうと。
それだけ言うと烏野の元へ戻って行った。

一瞬のことで、赤葦は何も反応できなかった。

でも全て伝わった。

小さくガッツポーズをした際、木葉に
「烏野に勝てたのがそんなにうれしかったのか。」
と不思議がられたのは少々気まずかったが。