【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第13章 五日目 夜 (きもだめし) 全編
「うわ、結構パワーバランス偏ったなー……。」
黒尾が出来上がったチームを見渡して感想を述べる。
「ここは、強そう。一人うるさそうだけど。」
菅原、清水、木兎のチームを見て言う。
「で、こっちは最弱。」
日向、立花、リエーフの3人に目を向けて声を上げて笑う。
「なんだとう!バカにすんな!俺は飛べる!!」
「黒尾さんひどいです!
こんなの怖いに決まってるじゃないですか!
後輩いじめも大概にしてください夜久さんに言いつけますよ!」
「ちびちゃんもリエーフもうるさい。
元気なのはいいけど、女の子守んなきゃだめだよ。」
そう言って不安げな立花を指差す。
「日向ー。みーのこと頼んだぞー。」
菅原が日向に声をかける。
「ま、任せてください!立花先輩、手つなぎましょう。
(俺のためにも)絶対離さないでくださいね。
一緒にがんばりましょう。」
そう言って日向は立花の手を取った。
「あー俺も!俺も繋ぎたい。
三人で仲良くがんばりましょう!」
リエーフは日向と立花の手を握って、三人は輪になった。
「その調子。頑張れよチーム最弱。」
黒尾が笑いをこらえて応援する。
「で、ここは……すげえおもしろいことになってるな。」
山口と谷地を見て黒尾はニヤニヤした。
「どうして私たちだけ2人なんでしょう。」
谷地が不安そうに聞く。
「あー、そこは俺が入って3人だから。」
そう言って黒尾は自分のくじを見せた。確かに3番だ。
「アホ毛くん、くじ運いいんだねー。よかったねー。」
黒尾が山口の肩をつついた。
「な、何言ってるんですか黒尾さん!
ちょっと意味わからないですね!」
真っ赤になって焦る山口。
「ちびちゃんたちのチームみたいに、
俺らも手つないどく?」
山口と谷地に手を繋ぐように仕向けるが、
山口が気の毒なほど慌てるので黒尾はいったん身を引いた。