【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第13章 五日目 夜 (きもだめし) 全編
「まあ落ち着け。
別になにか仕掛けてるわけじゃねえし、花火もあとでちゃんとやるよ。」
黒尾がそう言って全員にくじを引かせた。
「あ、黒尾。俺とこいつ、セットでたのむわ。」
くじを引く際、
菅原が背中に引っ付いて離れない立花を指差して伝えた。
「だめだめ。そういうのなし。
大丈夫だって、一人でいかせたりしねえよ。
チーム組んでいくから。安心しなさい。
そのためのこれ。ほれ、早く取れ。」
黒尾はくじの入った袋を立花に向ける。
「じゃあこうちゃんと一緒のチームのくじをください。」
立花が黒尾を恨めしそうに見上げて言う。
「バカか。引かないなら強制的に木兎と一緒にするぞ。」
黒尾にそう脅されて、立花は渋々くじを引いた。
「みー、木兎と何かあったのか?」
黒尾の言葉に疑問を持った菅原が聞く。
「……別に何もないけど。
ちょっと苦手なタイプだなって。声大きいし。」
「ふーん。」
菅原は返事をしてから、
くじを持ってまわっている黒尾の背中を見た。
(そのことをどうして、黒尾が知ってるのかってことなんだけどな。)
「こうちゃん何番?」
急に黙り込んだ菅原に、立花は声をかけた。
「お、1番だ。みーは?」
「……6番。やだーやだよー。」
立花は菅原の背中に顔をうずめて駄々をこねた。
その様子に、菅原は苦笑する。
(なんか、ここ数日全然一緒にいなかったからか?
甘え度合がおかしなことになってるな……。)
困惑半分、嬉しさ半分でため息をついた。