【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第13章 五日目 夜 (きもだめし) 全編
五日目 夜
「話が違うよー。むりむり。帰る!」
「私も、そういうのは苦手なので遠慮させていただきます!」
「……。」
立花と谷地は全力で拒否をし、
清水は何も言わずに引き返そうとした。
「まあまあ、そう言うなって。
肝試しっつったって、そんな大層なもんじゃないから。
やっぱり女子がいないと盛り上がらないしさ。」
黒尾がなだめて引き止める。
きっかけは、さかのぼること約15分
「花火?」
「そ。最後の夜だし、親睦深めつつ別れを惜しみつつ。
って言っても、そんなにたくさんあるわけじゃないから適当に人数集めてやるだけだけどな。」
黒尾の誘いに清水谷地立花の三人は顔を見合わせた。
「谷地さんも、花火行こうよ!」
黒尾の後ろから日向が顔を出す。
「日向も行くの?」
「おう。山口と菅原さんと田中さんとノヤさんもいくって。
月島はパスっつってたけど。
影山もそういうの苦手とか言って来なかった。
あと研磨も、めんどくさいって。」
よく見ると他にも結構な人数がそろっている。
谷地と立花は少し行きたそうにソワソワしている。
「いいんじゃない?花火くらい。」
清水のその一言に、二人は喜んで頷いた。
しかし実際にみんなが連れてこられたのは、
合宿所から少し離れた森然の旧校舎だった。
「と、いうわけで、音駒高校主催、きもだめしをはじめます!」
黒尾が意気揚々と宣言すると、全員がざわついた。