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【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)

第12章 四日目 夜 (反省と誤解)


「昼間は、すみませんでした!!」

立花の顔を見るなり、
全力で駆け寄って木兎は頭を下げた。

「ひっ」

その勢いに圧倒された立花は思わず月島の陰に隠れる。

「木兎さん、立花さんが怖がってますので、
もう少し控えめにお願いします。」

「お、おう……難しいな。ええと、昼間は……。」

「あの、もういいですから。
……バカなことしてるなあとは、思いますけど。」

立花が渾身の勇気を振り絞って嫌味を言う。

「そのことなんだけどさ、
俺が木兎のことけしかけたんだわ。本当に、すみませんでした。」

黒尾も後ろから出てきて謝る。

意外な人物の素直な一面を見て、
月島と立花は目を丸くする。

「黒尾さんでも謝るんですね。」

月島が思ったことをそのまま口にする。

「そりゃあ、悪いことしたら謝らなくちゃだめでしょ。
僕こう見えて常識人ですから。」

「急に胡散臭いですけど。」

「そんな!?」

月島に指摘されて、黒尾は焦る。

「……やっぱり黒尾君だったんだね。
まあそれは予想してたけど。
月島君もグルだったのが意外。」

立花が月島を見上げて言う。

「いや、ツッキーは……。」

喋り出した木兎を手で静止して、黒尾が説明する。

「ツッキーは何も関係ないよ。ただあんたを呼び出してもらうために事情を話しただけ。
あと赤葦な。あいつも何も知らなかった。
たまたま木兎が暴走したところに通りかかっただけ。
今回のことは、全部俺と木兎の悪ふざけ。ちょっと調子に乗りすぎた。反省してる。」

「……そう。」

立花は小さく頷いてからつぶやいた。

「私、赤葦君に結構失礼な態度とったかも……。」

それを聞いて黒尾がすかさず言う。

「まあそのへんはさ、また明日以降本人に言ってやってよ。
結構気にしてたからさ。」

「はあ……。」

そういえばどうして赤葦はこの場にいないのだろうと、
立花は不思議に思ったが、聞くタイミングを逃したので、
黒尾の言うとおり明日にでも声をかけることにした。
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