【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第12章 四日目 夜 (反省と誤解)
外廊下を歩いているところで立花は声をかけられた。
「立花先輩。」
「月島君。ちょうどよかった。
今これ渡しにいくとこだったから。」
そう言って立花は本日撮った分のDVDを差し出す。
「あ、どうも……。」
「自主練終わったの?お疲れさま。」
にこやかに話す立花は、いつもと何も変わらない。
そんな彼女に、昼間のことを思い出させるのは気が引ける。
「あの、先輩。すいません、ちょっとだけいいですか。」
「なに?」
月島は、思い切って口を開いた。
「向こうで木兎さんと黒尾さんが立花先輩にお話したいことがあるそうです。」
立花の表情が一気に曇る。
「月島君、もしかして何か知ってる?」
「昼間のことなら、さっき聞きました。」
「そっか。月島君なら大丈夫だと思うけど、
みんなには言わないでね。変な空気にしたくない。」
立花は笑ってこう続けた。
「ほら、こうちゃんとか、すぐ大げさに心配するでしょ?
ほんとに全然大したことじゃないんだよ。
ちょっとびっくりしただけ。
だから月島君も何も気にしないで。」
「……はい。」
月島は頷くことしかできない。