【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第12章 四日目 夜 (反省と誤解)
「俺もびっくりしましたよ。
しかも、立花さんは黒尾さんもグルだと気付いてます。」
「え、なんでそうなるの。」
「そこが良くわからないんですよね。
木兎さんにも確認しましたが、黒尾さんのことは一切口にしてないそうです。
自主練は確かに一緒にしてますけど、
常につるんでいるわけでもありませんし。
木兎さんと黒尾さんをどう結びつけたのか……。」
そして赤葦はこう続けた。
「でも恐らく立花さんは、こう思っています。
黒尾さん、木兎さん、俺の三人がタチの悪いおふざけをして、
立花さんをからかっていると。
俺、はっきりこう言われましたよ
『こういうの、もうやめたほうが良いよ』ってね。
当たらずとも遠からずってところですが。」
「マジか……。」
「立花さんって、頭いいですよ。勘も鋭い。」
「やるな、AKB。」
黒尾が感心したように唸る。
「黒尾さん、もうこれ以上なにもしないでください。
面白がって木兎さんをつつくのもやめてください。」
「赤葦?」
「合宿も残り少ないですし。
俺は、行けると思ったときに自分で行きますので。」
赤葦は黒尾にきっぱりと告げた。
「あれ?なに、やっぱりマジなの?」
「……黒尾さんは木兎さんと違って、
真面目に話せば分かる人だと思ってますからね。」
それだけ言うと、赤葦は体育館へ戻って行った。
「分かったよ。
そこまで真剣ならもう余計なことはしないさ。」
黒尾はそう呟いて、彼の後を追った。