【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第12章 四日目 夜 (反省と誤解)
その夜、自主練が始まる直前になってようやく赤葦は黒尾を捕まえた。
「黒尾さん、ちょっといいですか。」
「え、なになに?どうしたの?」
黒尾を連れてそっと体育館から抜け出す。
周りに誰もいないことを確認して、赤葦は小声で話し出す。
「黒尾さん、木兎さんに何言ったんですか。」
「何って?」
「とぼけないでください。立花さんのことです。」
不機嫌をあらわにする赤葦に、
黒尾は少し驚きながら答える。
「別に大したことじゃねえよ。
AKBは押しに弱そうだからグイグイいけば連絡先くらい教えてくれるんじゃね?
とは言ったけど。」
その言葉に赤葦はやっぱりかと深いため息をついた。
「なに?何かあったの?」
「昼間、木兎さんが立花さん泣かせました。」
「はあ!?あいつ何してんの!?」
思わず大きな声を出す黒尾に、赤葦がシっと人差し指を立てる。