【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第10章 三日目 夜 (ボーイズトーク)
「ほら、早く言わないとむしろ本気っぽくて重くなるよ。
さらっと言っちゃったほうが良いと思うけどなー。」
黒尾が山口をせっつく。
山口は、うーとかあーとか何度かうなったあと、
真っ赤な顔でぼそりと言った。
「……じゃあ、谷地さんで。」
その姿に、一同目が点になる。
「山口、本気すぎてみんな引いてる。」
月島に指摘されて、山口はますます赤くなって慌てた。
「え!?だってほら、歳も同じだし話しやすいから!
っていうだけで、別にそんな……。」
「分かった分かった。
アホ毛くんの気持ちは分かったから。」
見てるこっちが恥ずかしくなって、黒尾が止めに入る。
「山口、お前、やっちゃんのことをそこまで……
安心しろ、俺の口は堅い。そして全力で協力させてもらう。」
「嫌な予感しかしないのでやめてください!」
悟り顔で寄ってきた田中を山口は全力で拒否した。
「じゃあ、次ツッキー。」
「僕は、顔は清水先輩、性格は谷地さん、スタイルは立花先輩です。
あとツッキーってやめてください。」
月島は用意していたらしい答えをさらりと答えた。
「うわぁ……ツッキーずりい……。」
木兎が思わず声を漏らす。
「ツッキーらしいなぁ。
さらっとスタイル持ち出すところがリアルだ。」
黒尾も半ば感心している。
「そういう黒尾さんは、どうなんですか。」
すかさず月島が反撃に出る。
「俺は断然、メガネ美人だな。
清水さんだっけ?妙なエロさがいい。」
「お、お前!潔子さんに何かしてみろ!俺が許さねえぞ!!」
当然のように田中が食って掛かる。
はいはい、と黒尾は軽く流して視線を移す。
「で、赤葦は?」