【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第10章 三日目 夜 (ボーイズトーク)
三日目の夜
「赤葦―!お前、この中だったらどれが好き?」
食事も風呂も済ませ、寝る前の自由時間に
木兎がそう言って赤葦に見せたのは、雑誌のグラビアページだった。
「こんなもの、誰が持ってきたんですか。」
「さっきコンビニ行った連中が買ってきたんだよ。
まあ、軽い息抜きってやつ。」
一緒にいた黒尾が答えた。
「で、どれがいい?俺はこの髪の短い子が良いな!」
「木兎のその話はさんざん聞いたからもういいって。
赤葦だよ赤葦。
お前そういう話全然しないけどさ、好みくらいあるだろ。」
「まあ、ありますけど……。」
赤葦は雑誌に目をむけながら考える。
(このまま無視して二人にしつこくされるよりも、
さっさと答えておいた方がいいか。)
「じゃあ、俺はこの右下の写真の子がいいです。」
そう赤葦が指差して答える。
「ほーらな!俺の言った通りだっただろ!!
俺は赤葦の好み分かってるんだって。」
「うわ、マジかよ!ほんとにAKB系じゃねえか。
はー、意外だな。分かんないもんだなー。」
大威張りの木兎と、驚きの表情の黒尾。
(この人たち、めんどくさい。)
そそくさとその場から離れようとする赤葦の肩に、
二人はがっしりと腕を乗せた。
「赤葦君、もう少し詳しくお話ししようか。」
「たまにはボーイズトークしようぜ。」
二人から興味津々の眼差しを向けられ、
赤葦はうんざりした。