【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第8章 二日目 昼 (猛暑)
人の気配がして、立花は目を覚ました。
「あ、美和ちゃん起きた。具合はどう?」
清水が寄ってくる。
「うん。もう大丈夫……。」
清水の隣には、菅原もいた。
「だから無理すんなって言ったべ?
まあ、今回は黒尾と孤爪に感謝だな。」
「こうちゃん……。」
事の成り行きは全て伝わっているようだった。
「ごはん食べられそうか?」
菅原が立花の顔を覗き込んで聞く。
「ていうか、無理してでも、食え!
食わなきゃまた倒れるぞ。」
先に起きていたらしい孤爪と昼食をとっている黒尾が口をはさむ。
「こうちゃん、ごめんね。」
立花が小さな声で謝ると、菅原は平然と言った。
「何言ってんだ。
みーがこうなることくらい初めから分かってたっつの。
むしろ初日よく持ったなあと感心してたくらいだ。」
「……。」
「すっかり顔色もいいし、大丈夫そうだな。
午後からバリバリ働いてもらうから覚悟しとけ。」
きゅっと立花の頬をつまんで菅原が笑った。
飯だ飯だと促されて、立花はそろそろとベッドから出た。
みんなと一緒に食べ始める。
「いただきます。」
立花は、食べながら目の前に並んで座る菅原と清水に目を向ける。
二人は次の試合について話をしている。
立花の入れない話題。
胸に何かつかえたような感覚は、ごはんごと一緒に呑み込んでやり過ごした。