【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第8章 二日目 昼 (猛暑)
二日目。
朝から容赦なく気温は上がり、外は炎天、体育館も蒸し風呂状態だった。
音駒との試合に負けた烏野のメンバーは、
ペナルティの走り込みに出て行った。
「今のうちに、ドリンク作りに行こう、仁花ちゃん。」
清水は谷地を連れて体育館から出て行く。
「立花ー、今のビデオすぐパソコンに落としてくれ。」
「はい。あれ、パソコンのバッテリー残り少ないですね。
予備か電源持ってませんか?」
鵜飼はその言葉に焦る。
「うわ、部屋に置いてきちまった。急いでとってくるから、ちょっと待ってろ。」
そう言い残して走って出て行った。
残された立花は、一人作業に取りかかる。
「それにしても、暑いなあ……。」
「よーし、ちょっと休憩。」
黒尾の指示で、音駒のメンバーはそれぞれに体を休める。
「おい、研磨。おまえ大丈夫か。」
「え、なにが?」
黒尾に話しかけられて孤爪は返事をするが、
明らかにぼうっとしている。
「なにって、お前、顔色悪いぞ。ちゃんと水分取ってるか。」
「とってるよ。大丈夫。ちょっと暑くて疲れただけ。」
逃げるように背を向ける孤爪の腕を掴んで、
黒尾は近くにいた夜久に声をかけた。
「こいつ具合悪そうだからちょっと保健室開けてもらってくる。
ここ任せていいか。」
「おう。研磨、大丈夫か?
まだ先は長いからな。今のうちに休んどけ。」
夜久にも促され、孤爪は大人しく従うことにする。
そして、黒尾を見上げて少し小声で言った。
「ねえ、クロ。保健室行くならさ……。」