• テキストサイズ

【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)

第7章 一日目 夜 (雨と猫と彼)後編



「あんな誤解されるようなこと言っても、誰の得にもならないのに。」

立花はまだぶつぶつと言っている。

「菅原さん、普通に慌ててたじゃないですか。
いつも笑顔で落ち着いてるって立花先輩は言ってましたけど。」

「月島君がいじわるするからでしょ。」

「あなたたちみたいな仲良しこよし見てたらちょっとイラっとしたので。」

「なにそれ。やっぱりいじわるだ。
私たちが仲良しなのは、ずっと一緒にいたからってだけだよ。兄妹みたいなもの。」

「へえ。」

「ねえ、そいえば月島君は兄弟いるの?」

ふと思いつきで立花が質問した。

「……兄がいます。」

「へー。お兄さんも背高いの?」

「まあ、兄もバレーやってるんでそこそこ。僕の方が大きいですけど。」

「そうなんだ。兄弟で同じスポーツやってるなんて、仲良しなんだね。」

立花はにこにこしながら言った。

「兄は、ここのバレー部のOBですよ。」

「え。そう……なの?」

それから月島は珍しくぽつりぽつりと話し出した。


月島の兄は烏野に「小さな巨人」が在籍した頃の部員だということ。

中学まではかっこよかった兄が、高校ではベンチにすら入っていなかったこと。

そのことに月島は気付きもせずずっと兄はエースだと思い続けていたこと。

そして、真実を知ったときの衝撃。
/ 79ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp