【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第6章 一日目 夜 (雨と猫と彼)全編
遠慮がちにくっつきながら、立花は話しかける。
「月島君は、雷平気なんだね。」
「びっくりはしますけど。騒ぐほどではないですね。」
「あーこうちゃんもそんなカンジ。
ていうか、あの人が何かに怖がってるところってあんまり見たことないかも。」
「菅原さんって昔からイメージ通りなんですね。」
「うん。さっき、月島君、
こうちゃんのこと心配性っぽいのにって言ったでしょ?」
「ああ、メールの話ですか。」
月島はぼうっと前を向いたまま答える。
「うん。あれね、昔からそうなんだよ。
心配性で、ちょっと口うるさいくらいなのに、いざ何かあったときには
『大丈夫だ』『なんでもない』って笑って言ってくれるの。」
「そうですか。」
「私が転んで怪我したときも、
二人で迷子になったときも、
私が学校に行けなくなったときも。
『このくらい大丈夫大丈夫』って。
こうちゃんにそういわれると、
そんな気がしてきちゃうから不思議なんだよね。」
「それは、立花先輩が単純って言うだけなんじゃないですか。」
「そうだね。それもあるかもねー。」
そういって立花は笑った。
そのとき、立花の携帯が鳴った。メールではなく、電話だった。
「こうちゃんだ!」
すぐに電話を取る。