【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第6章 一日目 夜 (雨と猫と彼)全編
「うっわマジか。なにやってんだあいつ。」
練習を終えてようやくメールに気付いた菅原は、その内容に驚く。
「どうしたんだ?」
澤村が横から携帯を覗き込む。
「みーがさ、外の倉庫に閉じ込めくらったから鍵持ってきてほしいって。
なんでか月島も一緒らしい。」
「は?そりゃまた珍しい組み合わせだな。」
「大丈夫かな。あいつ暗くて狭いとこダメなんだよ。」
「倉庫にも電気くらいあるだろう。」
「いや、電気つかないらしい。メールに書いてあった。
月島に対して苦手意識持ってたし、これってあいつにとって結構やばい状況かも。」
急いで立花にメールの返事を送る菅原。
「まあ、相手が月島でよかったな。俺だとお前の見てないとこで立花に手を出す心配があるんだろ?」
澤村が冗談っぽく言った。
その言葉に菅原はますます慌てる。
「いや、月島だって暗闇に女子と二人きりなら牙を剥くかも……まあ、月島に限ってそれはないと思うけど。
ていうか大地の場合、そういう状況を利用するようなずるいことはしなさそうだからむしろ安心というか、
いや、でもそのストレートなところが逆に心配か……。」
「スガ、いいから早く迎えに行ってやれ。倉庫のカギなら森然のコーチが持ってるはずだから。」
「あ、そうだな。ちょっと行ってくる!」
落ち着きを取り戻して菅原は走り出した。
(その心配は、ただの親心から来るものには見えないけどなぁ。)
走って行く背中を見送りながら、澤村は小さくため息をついた。