【ハイキュー】ひとなつの (poco a poco2)
第5章 一日目 昼 (変なあだ名と赤葦の○○○疑惑)
一日中試合を繰り返していた。
烏野が実力で最も劣っていることは立花の目にも明らかだった。
それでも何かをつかもうと試行錯誤している彼らを、
立花はビデオで追い続けた。
「今の試合のビデオ、すぐ見せてくれ。」
「このプレーとさっきの試合の似たようなプレー、並べて出してくれ」
「次はこっちからの角度で撮って」
鵜飼に次々と指示されて、立花はパソコンとビデオを代わる代わる操作し続けた。
思っていたよりずっと忙しい。
休憩時間も体育館に残って黙々と作業を続ける立花に、
意外な人物が声をかけた。
「初日からそんな根を詰めると、バテますよ?」
「あ、月島君。山口くんも。
大丈夫。私、みんなより全然動いてないし、
これくらいしかできることないから。」
そう言って笑ってみせる。立花は月島が少々苦手だった。
「いやいや、どう見てもオーバーワーク。
僕たちと違って立花先輩は素人なんだから。
素人でも自分の体調管理くらい責任持ってくださいよ。
あなたが倒れたらみんなが迷惑……。」
「あ、あの、立花先輩!」
月島のキツイ口調に、みるみる笑顔が消えていく立花をみて
山口が慌てて口をはさんだ。