第5章 一日目　昼　　(変なあだ名と赤葦の○○○疑惑）

「おー、烏野はビデオ持参か。気合い入ってるなー。」

部員のみんながウォーミングアップをしてる間、

立花が体育館でビデオの準備を始めるとさっそく声をかけられる。

「あれ？この前は見なかった顔だな。新入り？」

「あ、ええと。3年の立花です。この合宿だけ、お手伝いに来ました。」

「ふーん、なんか、あれだね。ＡＫＢにいそうなタイプ。」

「……はぁ。」

突然のことで立花が何と答えていいか分からないでいると、
彼に向かって近づいてくる人影が。

「クロ、みんなが呼んでる。」

「おー、すぐいく。」

呼びに来た孤爪に短く返事をしてから、立花に向かって言った。

「あ、俺は音駒の黒尾。よろしくな。ＡＫＢ」

「ちょっとクロ、他校の子にちょっかい出すとまた夜久さんに怒られるよ。」

再度促されて、黒尾はようやく歩き出した。

（ちょっと苦手なタイプだなぁ。
田中くんの言うシティボーイってみんなあんな感じなのかな。）

なるべく近づかないでおこう……と心に決めたとき、
烏野のメンバーが体育館に戻ってきた。