第7章 ちぎれた鎖
校舎内へ入ると昼休みの最中だった
武本君に抱き上げられた傷だらけの私に、他の生徒からの視線が集まる
「間に合った...?」
「あっ...もうすぐ1時だよ!」
武本君と咲綺が交わす言葉の意味が分からず、私は黙って2人の顔を交互に見ていたその時
ピンポンパンポン――
時刻は1時
校内放送の音に誰もが耳を傾けた
『全校生徒の皆さん。昼休みの最中だとは思いますが、少しだけ...俺の話を聞いてください』
(この声...)
「雨宮、くん...?」
私の呟きに咲綺と武本君が頷く
周りの生徒たちも突然の放送に驚いている様子だった
『今、全校生徒の間で噂になっている椎田あゆさんについての事です』
ドクン――
鼓動が速くなって、耳を塞ぎたくなった
(なに...?何を言うつもりなの?放送まで流して、どうするつもり...?)