第6章 キライ、キライ...
「っ......」
チャイムが鳴ってもその場から動けなかった
入ってきた教師が1人立っている私に一言
「何立ってんだ。座れ」
私を見てクスクス笑うクラスメイトたち
「すみません...」
自分の席に座っても前を向けなかった
皆の冷たい視線が私に鋭く刺さって
痛くて...仕方なかった
黙って俯いている私に、たった1人声をかけてくれた人物がいた
「椎田...」
顔を上げると隣の席の山口君が心配そうに私を見ていた
「俺は、椎田がそんな奴じゃないって信じてるから」
そう微笑んでくれた山口君
その言葉に泣きそうになると教室の扉が開いた
「お。雨宮、武本」
その声に表情が強張る
「遅れてすみません。委員会予算案を整理してて...」
「井田先生から聞いてるよ。2人ともご苦労さん」
もう...雨宮君には近づきたくない
でも、言う事を聞かなければあの写真を使って何されるかわからない...
最悪の事態に、私は目の前が真っ暗になった