第5章 苦痛な日々(R18)
雨宮君はゆっくりと体勢を戻すと、顔だけ扉の方へと向けた
「......」
静まりかえる教室
(雨宮君の顔...よく見えないけど。怒ってる...?)
誰が来たのか背の高い雨宮君が遮って見えない...
しかし、顔を出すのも躊躇った
(こんな所見られたら絶対ヤバい!)
授業中だし、キスする寸前だったなんて...誰だって分かるだろう
もしこれが学校内で噂になったら
私が絶対...悪者だ...
頭の中で色々な事が廻って顔が青ざめた時、雨宮君が小さく呟いた
「...駿」
(しゅ...駿って、武本君!?)