第17章 優しい嘘、切ない嘘
雨宮君の手が頬から顎へと滑って、そのまますくわれる
(心臓、壊れそうっ......)
ドキドキと高鳴る胸に全身が熱くなるのを感じながら、私は彼に委ねるようにそっと目を閉じた
目に溜まっていた涙が頬に落ちて
頭の中で、璃央ちゃんと雨宮君の言葉が響いていた
“恵は、あなたに出会った事を後悔してるわ”
“俺も...あゆに出逢えてよかった”
璃央ちゃんの言葉がずっと頭から離れなかった
私がいる事で雨宮君も、武本君も...璃央ちゃんも...
皆を苦しませているんだと、出逢わなかったらよかったらと後悔した...
でも、真っ直ぐ私の目を見て言ってくれた雨宮君の言葉
私はその言葉を信じたいと思った