第14章 崩れゆく嘘[中]
「恵ちゃん...何言ってるの?」
梨奈も予想していなかったのだろう
今まで穏やかだった声が、戸惑いに変わった
「梨奈がいなくなるなら、俺が紅蘭学園にいる意味はない」
「...でも」
「俺も。恵が行くなら一緒についてくよ」
梨奈の言葉を遮るように駿の声が響いた
「...駿っ」
「俺たちはずっと一緒なんだからさ。梨奈も恵もいなくなったらつまんないじゃん」
そう言ってニッと笑った駿を見て梨奈は戸惑いながら私へと視線を向けた
「璃央もそうだろ?」
私へと向けられた梨奈の視線を辿るように向けられた駿の視線
なんの曇りもない瞳
私が...梨奈をイジメていると知ったら2人は...
「私も...一緒に行くわ」
また...歯車がずれていく