• テキストサイズ

恋愛玩具

第14章 崩れゆく嘘[中]



「黙っててごめんね...」

「...っ!なんで、転校なんかっ...」

否定しない梨奈の言葉に、恵は振り返り眉を寄せた

「でもまだ先だよ。高等部には上がらないで、鳳翠(ホウスイ)高校を受験するつもり」

興奮している恵に対して梨奈は冷静だった
穏やかな声色に恵は切なげに顔をしかめる

「...そんな言葉を聞きたいわけじゃないっ」

恵の声が震えてる
梨奈が自分から離れていくと知って、自分を抑えられない様子だった

「なんで、わざわざ別の高校へ行くんだよ...。何か理由があるんだろ?」

「......」

自分の両親にも言わなかったんだもの
恵たちには絶対、自分から言えるはずがない

「イジメを受けてるのよ」

静寂の中、私の声が響いた
その言葉に恵と駿は驚きに目を見開いた

「なんで、梨奈がっ...」

今まで黙っていた駿も信じられないという様に呟いた

/ 311ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp