第11章 絡まった想い[中]
パーティー会場の広間はとても華やかで大勢の人で賑わっていた
おずおずと中へ入り広間を見渡す
(こんなに大勢の人が梨奈さんの為に集まったんだ...!)
こんなにも豪勢なパーティーは生まれて初めてで、いかにも庶民な私は場違いなのではないかと不安になる
(奈々先生、いるかな?)
1人では心細くて、先生を探そうと歩き出した瞬間
「あれ、椎田?」
不意に呼ばれた名前
聞き覚えのある、安心感のある声
振り返ると...
「山口君!」
正装に身を包んだ山口君が微笑みながら近づいてきた
「な、なんで山口君が!?」
「霧島っていう編入生から招待状届いてさ。迎え来た時断りきれなくて...」
苦笑する彼を見て私はふと疑問に思った
(山口君は梨奈さんの事知らないよね?だったら、どうして...?)
首を傾げた時、山口君のずっと後ろの方に見えた人物に心臓が跳ねた
口元を押さえて思わず見入ってしまう
(雨宮君...)