第7章 ちぎれた鎖
「武本君」
「は、はいっ!」
真剣な眼差しで見つめる私に彼は表情を強張らせた
「本当に咲綺の事が好き?」
「もちろん!」
「幸せに出来る自信ある?」
「あります!」
少しだけ武本君と睨めっこして、彼の真剣な表情に私は頬を緩めた
「...咲綺の事、大事にしてあげてね」
その一言で武本君と咲綺の表情が明るくなった
「あゆ!ありがとうっ!!」
抱きついてきた咲綺の頭を撫でる
想像もしていなかった告白に驚いたけど...
初々しい2人を見て、私も久しぶりに幸せな気持ちになった
不意にあゆの頭に雨宮君が浮かぶ
(明日から、雨宮君に出会う前の生活が戻ってくるんだ)
嬉しいはずなのに何かが引っかかる
最後の彼の態度に対する疑問が、あゆの中で大きくなっていった