第3章 煌帝国
考えている内に眠気が襲ってきて…………気が付いたら眠ってしまっていた。
「ん……」
どのくらい眠ったのか、明るかった部屋はすっかり暗くなっていて。
目を開けてみても薄っすらと室内が見えるか見えないかくらいだった。
「電気……」
明かりを求めて立ち上がる。が、視界が悪くて上手く歩けない。
仕方なく壁に沿って歩こうとした所で足元にあった何かに躓き、派手に転んでしまった。
ドンッ……
前のめりに転んだせいで、床に顔面をぶつける。
……痛い、凄く。おかげで目は覚めたけど……。
「つっ~……」
痛みに悶え、額を抑えていると、勢い良く走る音が聞こえてーー
「瑠花殿?! 今の物音は一体!!」
駆けつけてくれたのは、白龍さんだった。
扉を開けると明かりをつけてくれて……
「ちょっと転んだだけです……」
そう言って、白龍さんの方を向いた。
が、何故か視線を向けた先の白龍さんの顔は真っ赤で。
「あの、どうかしましたか……?」
痛みも忘れて、放心している白龍さんに声を掛けると、バッと視線を逸らされて。
「す、すみませんっ。見惚れていたとかじゃなくてですね、その、何と言うか服装が……」
どんどん小声になっていく白龍さんの言葉を何とか聞き取る。
そして自分の格好を改めてみてみると……。
「っ……?!」
愕然とした。慣れない着物に着替えたせいか、帯が解け胸元やへその辺りなどが露出していたから。
そんな姿を見られたことを恥ずかしく思いながらも、直すと白龍さんに声をかけた。
「見苦しい所をお見せして……」
「見苦しいなんて、そんな事は!! むしろ、とても可愛らしくて見惚れてしまう程でした!」
白龍さんの言葉に私は赤くなって、我に返った白龍さんは真っ赤になりながらも来た理由を話してくれて。
「っ、その、夕食の準備が整いましたので呼びに参ったのです」
「頂いてもいいのですか?」
お腹は空いていたし、嬉しいけど何も手伝っていない私が食べるのは悪い気がする。だからこそ、そう言ったんだけど。
「勿論です! 俺が作ったものですし問題ありません」
「白龍さんが……?」
私がそう言うと、「俺の手作りじゃ嫌でしたか?」と不安そうな目で言われて。
「いいえ、是非、食べてみたいです」
そう答えると「では行きましょうか」と、料理の用意された部屋へ向かった。