【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第11章 そんな君を
「おかえり。」
菅原が帰ると、立花がリビングでアイスを食べていた。
「……来てたのか。」
「おじゃましてまーす。」
「母さんは?」
「買い物だって。私留守番中。」
菅原は荷物を置いてソファに倒れこんだ。
「アイス、食べる?」
「ん~。」
ソファから顔だけ上げる菅原に、食べかけのアイスを食べさせる。
「あま……ていうか、食べかけかよ。」
菅原は少し笑ってから、力なく目を閉じた。
「お疲れ。」
「……おう。」
「泣く?」
「なかねーよ。」
「泣いた?」
「うるせ。」
立花はそろそろと近づいていき、ソファに寄りかかって座った。
「みーの声、聞こえた。でかすぎ。」
「私も、自分でびっくりした。」
「でも、あれでちょっと力でた。かも。」
「うん。」
「俺、試合出てさ」
「うん。」
「楽しかった。」
「うん。」
「もっと出たいって思った。」
「うん。」
「あっという間だった。」
「うん。」
「もう終わり。か……。」
立花が答えられないでいると、そこで会話が途切れた。