【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第11章 そんな君を
「立花さん、こっち空いてるよ。」
「ほんとだ。それにしても、青葉城西の応援、すごいねー。」
会場に入って立花と道宮は席を確保した。
向かい側には青葉城西の応援団。
試合はもうすぐ始まる。
そこへ
「また有給使っちまったよー。当分休み取れねえよ。」
「俺も。」
男性二人組が通りかかり、二人のすぐそばで観戦を始めた。
(あの二人、昨日もいた気がする……烏野の関係者かな?)
立花は横目でチラチラと見る。
しばらくしてから、向こうもこちらに気付いたようで声をかけられる。
「あれー?君たち、昨日も烏野の試合見に来てたよね?」
「あ、はい。私たち烏野の学生なので。」
道宮が答える。
「じゃあ俺たち烏野のOBだから、君たちの先輩だな。」
「向こうに比べてこっちは応援も少ないから、一緒に気合い入れてこうぜ!」
「俺は嶋田で、こいつは滝ノ上。一応二人とも元バレー部なんだ。」
「そうなんですか。えっと、3年の道宮結です。
女子バレー部です。昨日負けちゃいましたけど……。」
「あ、3年の立花美和です。
私は、バレー部じゃないんですけど、友達の応援で。」
「もしかして二人とも、あの仲の誰かと付き合ってんじゃねーの?」
「そ、そんなんじゃないです!」
「ちがいますよ!」
少し意地悪く笑う滝ノ上に、二人は慌てて否定する。
「やめろよ滝ノ上、セクハラで訴えられるぞ。」
「セ、セクハラ!?」
嶋田の指摘に、今度は滝ノ上が慌てる。