【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)
第11章 そんな君を
インターハイ予選2日目。早朝。
「今日も見に来るんだべ?」
菅原が味噌汁を飲みながら高城にきく。
学校の日じゃないのに朝ごはんを立花の家で食べているのは、
なんだかもうすっかり習慣化しているからだ。
「うん。行くよ。道宮さんとね、待ち合わせしてるの。」
「道宮?あ、昨日女バレのみんなもいたもんな。そこで仲良くなったのか?」
「仲良くっていうか……、私が一人で観戦してるのを見た道宮さんが声をかけてくれて。
今日も見に行くって言ったら、一緒に行こうって誘ってくれたの。」
なぜかモジモジと話す立花。
「なんでそんな恥ずかしそうにしてんだよ。」
「だって、道宮さんって女子バレー部の部長だよ?
スポーツできて、みんなから信頼されて、友達もいっぱいいて、
そんなすごい人が私なんかを誘ってくれるなんて……。夢みたいだよ。」
「みーだって結構有名人じゃん。」
「え?」
「輝かしく入学デビューしたものの、あっという間に不登校におちぶれた残念優等生ってな。」
いじわるそうににやりと笑う菅原。
「なにそれ全然うれしくなーい!」
頬を膨らませていじける立花に、
菅原は「変な顔!」と言って笑った。
「おばさーん、ごちそうさま!そろそろ行かないと。」
菅原は立ち上がった。