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【ハイキュー】 poco a poco (ポコ ア ポコ)

第10章 うごきだす


帰り道、みんなと別れて二人だけになってから、菅原は立花に改めて言う。

「いやー、ほんとびっくりしたな。まさかみーが部活見に来るなんてさ。」

「私もびっくりした。全然そんなつもりなかったから。」

「どうだった?みんな良い奴だろ?」

「うん。東峰君も、話してみるとそんなに怖くなかった。
あーでも、月島君って人は、少し苦手かも……。
なんだか私のいじめられっ子センサーが反応してる気がする……。」

「あー、あいつはちょっとあまのじゃくだからなー。あと少し人見知りっぽいかも。
からかうと案外面白いとこあるんだけどな。」

「えーそうなの?」

「うん。また見に来いよ。大地もいつでも来て良いってさ。」

菅原の誘いに、立花は少し考えてから、口を開いた。

「うーん、でもやっぱりみんなが真剣に練習してるところに気を使わせるの悪いから。やめとく。今日はほんとに楽しかった。だからまた今度は試合、見てみたい。」

「試合?」

「うん。もうすぐインターハイ予選なんでしょ。それ、見に行きたいなって。
こうちゃんのバレーしてるとこ、あんまり見たことないなって改めて思ったんだよね。
だから、引退までの試合、見に行きたい。」

「俺出れるかわかんねーよ。一応影山が正セッターだから。」

「いいよ。そんなの。こうちゃんが試合に出ても出なくても、全部見ておきたいなって思ったの。私が学校行けなくても毎日迎えに来てくれたように。」

「それと一緒にされてもなぁ。」

菅原は苦笑いした。

「いいのいいの。私ね、ずっと学校行けてなかったから、高校生活の思い出とかほとんどないでしょ。
少しでもそういうの見ておきたいなって思って。て言っても、私が試合するわけじゃないんだから思い出でもなんでもないけど。」

珍しく前向きな立花に、菅原は軽く感動した。

「お前……成長したなぁ。よし!試合見に来い!日向なんかお前に相当懐いてたから応援来るって言ったら喜ぶぞ。
俺もかっこ悪いとこ見せられないからもっと練習力入れないとな。」

気合いを入れて立花の背中を叩いた。

立花は少し不満そうに

「いたいよ。なんで叩くの。」

「みーが元気そうで良かったなってこと。」

「なにそれ意味わかんない。」

その後も二人は部活の話をしながら歩いた。
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