第10章 -Episode2- 新しい家族
百合side
「ぅっ......にぃ、お父さん......」
「生憎助けは来ないよ?」
_プルルルル
「......誰の携帯?......あ、百合ちゃんのね。
裕太って書いてあるわよ......」
「っ裕にぃ......」
「あらアンタのお兄ちゃん?
出たい?」
_コクコクッ!「っ!」
百合は首を大きく縦に振った。
「でもだーめ♪
ここの場所がわかっちゃうでしょ?せっかく遠くまでに来たんだから......」
「っ......百合を、殺すの?」
「最終的にはね♪」
「......なんで?百合、悪いことしたの?」
「百合ちゃんはねぇ......なーんにも悪いことはしてないよ?
でもそれは、今はね......」
「なんで......?」
「だって宏とは兄妹とは言え最終的には血が繋がってないんでしょ?
百合ちゃんだって、大きくなってちゃんと女の子になっちゃったら......
こっちの身としては心配なわけよ......だって家族って、
彼女とかよりもずっと一緒にいるものでしょ?
それに、将来......お兄ちゃん達がお兄ちゃんとして見られなくなるかもしれないでしょ?
もちろんその逆もあるし......そうなると、私が許せないのよ......」
来奈からは笑が消え百合を睨みつけていた。
「私は......宏の本命彼女になりたいのよ!
他の女は遊びでも、私だけは特別な女でいたいの!」
「っ......」
「......こんなこと言ったって、まだ4歳の子供にはわからないでしょうね。
だからわからないうちから消すの。」
「っいや......」
「百合ちゃんのことは、行方不明になったって伝えておくわ。
私と遊んでいるうちに誰かに連れさらわれた、
死体は見つかりにくいところに隠して......
そうとなれば、見つかるまで時間はかかるし......私も罪にはならない。
凄く完璧な計画でしょ!?」
「っ......」
「百合ちゃんの未来、
私が消しちゃうね?(嘲笑)」