第10章 -Episode2- 新しい家族
「っわかった......!」
『俺もあいつらを止めたんやけど......どうしても聞かんくてな......』
「なら俺がぶっ潰すまでだ。ありがとな大倉......」
『俺はこれくらいのことしかできへん、礼を言われるほどじゃあらへん......』
「とにかくありがとう、じゃあな!」
『ほなな。』
宏光は電話を切り急いで玄関先へ走り出した。
「っおい兄貴!
電話の内容はなんだったんだよ!」
太輔と裕太も急いでそのあとを追った。
「っ百合が拉致られた......全部、来奈が仕組みやがった......」
「っそんn..「っざけんなよ!」_グイッ!..っちょっと太にぃ!」
「っ......」
太輔は宏光の服を引っ張った。
「やっぱり......あの女が何かやらかしたじゃねぇか......」
太輔は鋭い視線を宏光に送った。
「っ殴りたいなら好きにしろ、けど今は百合を助け出すことだろ......」
「っ......」
「太にぃ......今はそれを優先しようよ、こんなことをしてる間に百合が!!」
「っあぁ、そうだな......」
太輔は引っ張った服を離し走り出した。
そしてその後ろに裕太、宏光と続いていった。
大倉からの伝言、アイツの仲間に来奈が指示したことは......
__百合を襲え。
この言葉の意味はどちらを指しているのかを分からないがどのみち
百合が危険なことに変わりはない......
俺の考えが甘すぎた......でもこれは、
俺の日頃の行いが招いたものだ。
それが百合に降りかかることになるなんて......
1秒、いや0,1秒でも早く、百合を助け出さねぇと......!