第10章 -Episode2- 新しい家族
宏光side
百合が出かけて2時間が経った。
太輔と裕太はよほど心配なのかずっと落ち着かない様子だった。
「っ太にぃ俺......なんか嫌な予感がするんだけど......」
「裕太もか?
なーんか俺も、落ち着かねぇんだよ......」
コイツら、どんだけ心配症なんだよ......
「っちょっと電話かけてみる!」
裕太は携帯電話を取り出し百合の番号にかけた。
「大袈裟すぎんだろ......」
「それは兄貴の女なだからそう言えんだろ。
まだ1回しか会ったことがねぇ女とか、心配で仕方ねぇよ......」
「......。」
「......っ出ないよ!なんで出ないんだよ!」
「やっぱり百合に何かあったんじゃ......」
「......。」
さすがの俺も、少し心配になってきた。
その時、俺の携帯に着信が入ってきた......
_プルルルル...
「っまさか百合か!?
もしかして折り返し!?」
裕太はそんな希望を胸に抱いた。
「......。」
(まさか......来奈か?)
宏光は着信の主を確認した。
確認すると着信の主は百合でも来奈でもなかった......。
「っ......!?」
(大倉......?)
大倉というのは大倉忠義、関西出身で俺のダチの一人だ......
_ピッ「もしもし?」
『もしもし北山か?』
「あぁ、突然どうした......」
電話の向こうから聞こえた大倉の声は少し重いように感じた......
『......お前、最近笹山来奈とつるんでいただろ?』
「あぁ......」
(なんだ?何か関係があるのか?)
『その笹山からな......俺らに_________するようにって指示されたんや。』
「っ!?っんだよその命令......」
『もうアイツ等は向かった。はよ行かんとお前の妹ちゃんが危ないで......』
「っわかった、お前も行くのか?」
『俺はおふくろと用足があってどうして行けへんや......だからお前に知らせたんや。
だからはよ行け!今ならまだ間に合うはずだ!』
「っわかった......!」