第10章 -Episode2- 新しい家族
_百合が気を失い1時間ほどが経った...
「っ......う!」
(頭が痛いの......)
百合は重たいまぶたを開けた。
開けた先に見えたのは......
「百合ちゃんやっと起きた?
でも4歳の子供にしては起きるのが早いような気がするけど......」
「っ......っ!?」
(手足が動かないの......)
よく見てみると百合は身体を縛り付けられていた。
そしてその場所は来奈の部屋ではなく倉庫のような空間にいた......
「っ......ここはどこなの?
来奈お姉ちゃんのおうちじゃないの?」
「......ホント、子供は純粋ねぇ......
あたしと違って将来有望そうな子を苦しめちゃうのは心苦しいけど......」
「っ......」
(くるしめちゃう......?
怖いの......にぃに......)
「......百合ちゃん、本当のお父さんとお母さんに会いたい?」
「へぇ?」
「会いたいかって聞いてんの......
アンタみたいな利口な子だったら言ってる意味わかるでしょ?」
「っぅ......」
百合は来奈の今までと違う態度に恐怖を覚え涙を浮かべていた。
「あらら、泣かせちゃったや......所詮は子供か、もぉめんどくさいなぁ......
ねぇ百合ちゃん、
本当のお父さんとお母さんに会いたいかどうか答えてくれる?(微笑)」
「っぅ......本当は、いなくて寂しいの。
会えるのなら会いたい......でもそれはできないの、もう......
ふたりはいないの......」
「なーんだ、ちゃんと言えるじゃん(微笑)
でも安心して?百合ちゃんも今日......
本当のお父さんとお母さんのところに行けるんだから(黒笑)」
「っ......!?」
「ふふっ...♪」