第10章 -Episode2- 新しい家族
「太にぃ裕にぃお帰りなさい。」
「「ただいまぁ♪」」
((メチャ幸せ~♡))
「来奈お姉ちゃんが来てるの。」
「「来奈お姉ちゃん?」」
((どっかで聞いたことある名前......))
「ほら、さっさと帰れ。」
「帰るからそんな急かさないでよぉ(笑)
あ、お邪魔しました!百合ちゃん、それじゃあまた日曜日ね。」
「うん、ばいばい。」
「ばいばい!」
来奈は百合に手を振り帰っていった。
「日曜日?
おい百合、どういうことだ?」
「宏にぃが買い物行っている間に約束したの。」
「はあ!?何勝手に決めてんだよ!」
「約束、指切りしたの。
だから行くの。」
「ああもぉ!」
「なになに?約束って?」
裕太は頭をハテナマークでいっぱいにしていた。
「そのままの意味だ。
まぁいい......百合、」
「......?」
「出かけるときはオヤジが渡していた携帯電話持っていけ。」
「うん、わかったの。」
「「......?」」
太輔と裕太はあまり理解できないまま部屋にあがった。
_そして日曜日
_ピンポーン
「来奈お姉ちゃんが来たの。」
「百合ちゃーん、迎えに来たよー!」
「今出るの。」
百合は駆け足で玄関に向かいドアを開けた。
「百合ちゃん来たよ~
それじゃ行こっか!」
「うん、行ってきます。」
「あぁ。」
「俺も行こうか?」
(なんかこんなチャラ女と百合がいると不安でしかたねぇんだよな......
しかも兄貴の女だし......)
「太にぃはダメなの。」
「えぇ!?」
「お!百合ちゃんわかってるねぇ(笑)
女の子同士に男の子は必要ないもんねぇ~」
「......。」
太輔はかなり不服そうだった。
「......百合、何かあったらちゃんと電話しろよ?」
「わかってるの。」
裕太は注意を促した。
「弟くん達は本当に心配性だねぇ......」
「そりゃそうだろ!」