第10章 -Episode2- 新しい家族
「みんなのことが好きならそんなの関係ないよ!」
「......。」
「百合ちゃんの本当のお母さん達はどうしたの?」
「......死んじゃったの。」
「かわいそうに......」
「天国に行っちゃったの......」
「でももう新しい家族がいるんだから大丈夫なんでしょ?」
「......ん、」
「もうひとりじゃないんだから大丈夫だよ!
私もこうして遊びに来るから!」
「また来るの?」
「うん!ねぇ、今度は私のおうちで遊ばない?
昔のおもちゃとか残ってるはずだから、それでも遊ぼ?」
「......いいの?」
「もっちろん!
もし欲しいおもちゃもあればあげるよ?捨てるのはもったないからね。」
「来奈お姉ちゃんありがとうなの。」
「いいのいいの!
じゃあ......来週の日曜日うちに来なよ、私が迎えに来るから(微笑)」
「ん。」
「決まりね!」
「......。」
来奈は満面の笑みを百合に見せた、
だが百合は何故かその笑顔に違和感を覚えていた......
「......あれ?この携帯電話は?」
来奈はテーブルに置いてある携帯電話に目がいった。
「百合の携帯電話なの、お父さんがくれたの。」
「ほぉほぉ......いわゆる子供携帯か!」
「ん、みんなの電話番号がはいってるの。」
「操作は、わかるの?」
「少ししか覚えてないの。」
「ふぅん......まぁいいや!じゃあ次の日曜日約束ね?」
「うん。」
「じゃあ約束の指きり!」
「指きり。」
百合と来奈は指切りをし次の日曜日に遊ぶ約束を交わすのだった。
そしてそれから10分ほどで宏光が帰ってきた。
お菓子を食べながら話しているとあっという間に時間は過ぎて行き、
太輔と裕太が帰ってきた。
「「ただいまぁ~」」
「太にぃと裕にぃなの。」
百合は玄関へ走っていった。
「あ?弟くん?」
「あぁ、お前はそろそろ帰れ。弟共にはいい顔されねぇぞ。」
「アンタどんだけ弟に嫌われてんのよ(笑)」
「るっせぇ!さっさと帰れ。」
「はいはい。」