第10章 -Episode2- 新しい家族
「......?」
百合は絵本を読みながら首をかしげていた。
「おめぇみたいなチャラチャラした女がくっと百合にも弟にも影響がわりぃだよ。
だから来んな......」
『えぇ......ってかアンタも人のこと言えないでしょうが!』
「んじゃ切るぞ。」
宏光はまたもや無理やり電話を切った。
「......。」
「朝の人なの?」
「ん?まぁな......」
「......絵本読んで?」
「はぁ?
......ん、わーったよ。」
(どうせ暇だしな......)
「赤ずきんくん読んで。」
「赤ずきんくん?」
(ちゃんじゃなくてくんかよ......)
ちなみに絵本は赤ずきんをかぶった人間の男の子と狼少女が出てくるおはなし、
変な違和感を覚えながら宏光は絵本を百合に読み聞かせた。
「悪者やっつけたの♪」
悪者がやっつけられ大満足の百合、かなりご機嫌だった。
「でめたしでめたし......」
(俺、何してんだし......)
本の読み聞かせを終えた時、突然玄関からチャイムが鳴った。
_ピンポーン
「?
お客さんなの?」
「......宅配便か?」
宏光は立ち上がり玄関に向かった。
そしてなぜか百合もその後を着いていった。
_ガチャッ「どちらさm..「宏~♪」_ぎゅうう!.げ!?」
ドアを開けた途端誰かが突然宏光に抱きついてきた。
「っ!?」
突然のできごとに百合も体をビクつかせていた。
「っ来奈!
なんでお前がここにいんだよ!来んなって言っただろ!」
「だってどうせ暇でしょ~?」
「暇じゃねぇし!」
抱きついてきたのは来奈だった。
「もぉ......あ!この子が妹ちゃんなの?
可愛い~」
「......あぁ、百合だ。
昨日来たばっかり......」
「え!?
血は繋がってないの?」
「まぁな......」
「ふぅん......」
来奈は百合を見下ろした。
をの一方で百合は不思議そうに見上げていた。