第10章 -Episode2- 新しい家族
「ったく......」
「だぁれ?」
「別に。」
「......?」
_リビング
「お父さんおはよう。」
「おはよう百合、ぐっすり眠れたか?」
「うん......太にぃと裕にぃは?」
「太輔は、専門学校のオープンキャンパスに行ったぞ。
裕太は部活だ。」
「......お父さんも行くの?」
「落ち着いたらね(苦笑)
日本に戻るのは、早くて2ヶ月後くらいだ......それまでは、
しっかりとお兄ちゃん達の言うことを聞くんだぞ?」
「うん。」
「いい子だ(微笑)
朝ごはんはもう出来ている、私もそろそろ準備をしないといけないからな。
宏光と一緒にでも食べてなさい。」
「わかった。」
尚樹はアメリカに出発する為、今日からまた出張。
次戻ってくるまではかなり長かった。
「じゃあ行ってくる、帰ってくるときはお土産をたくさん買ってくるからな(微笑)」
「うん、いってらっしゃい!」
「いってきます。じゃあ宏光、あとのことは頼んだぞ。」
「......あぁ。」
こうして尚樹はアメリカに向けて出発した。
太輔と裕太は外出中のため家には百合と宏光だけとなった。
「......宏にぃ、朝ごはん食べるの。」
「そうだな。」
そして朝食も済ませ...
_プルルルル...
再び宏光の携帯電話のコールが鳴り響きだした。
「......って、またアイツかよ。
しつけぇな......」
「誰?」
「......。」
(来奈かよ......)
宏光は渋々そうに電話に出た。
「んだよ来奈......」
『ねぇ!今日そっちのうちに行ってもいい?』
「嫌だ。」
『なんでぇ!?』
「百合はいるし弟らもそのうち帰ってくる......
厄介なんだよ、お前みたいな女がうちに来んのは......」
『いいじゃん!
今妹と二人だけなの?』
「......そうだけど?」
『じゃあ行く!』
「はあぁぁ!?っざけんなよ!!」
『妹ちゃんとも遊びたいし~』
「......。」
(マジかよ......)
「......?」