第10章 -Episode2- 新しい家族
_お風呂
「あひるさん...♪」
「......。」
百合はお気に入りであるあひるさんを湯船に浮かせていた。
「......おい、チャッチャと体洗えよ。
そんなんじゃ逆上せるぞ。」
「......あひるさん...」
ショボンとする百合。
「っ......」
(可愛い......)
「宏光!百合の頭もちゃんと洗ってやれよ。」
「えぇ?はぁ、わーったよ......おい、頭洗うぞ。」
「うん。」
「シャンプーハットを忘れるなよ。」
「わーってる!!」
宏光はシャンプーハットを百合に被せた。
そして百合の髪を洗い流していった。
「......。」
(なんで俺がこんなことを......)
「......宏にぃ、眠い......」
「上がるまで我慢しろ。」
「んぅ......」
返事をするがやはり眠たそうだった。
そして体も洗い終わり...
「......。」
(やっと俺が洗えるよ......)
今度は自分の体を洗い流していくのだった。
その間百合は眠たそうにしながらもあひるさんを浮かべて遊んでいた。
「寝ぼけてっと溺れるぞ。
もう充分浸かったろ、先に上がってろ。」
「ぅん......」
百合はまだ短い足を浴槽からあげ浴室を出て行った。
「......アヒルまんま。」
宏光はアヒルを所定の場所に戻した。
「......疲れっけど、百合といるのもわるくねぇや......」
ちょっと安らぎを覚えた宏光だった。
宏光も上がり百合は既にパジャマにも着替え終わっていた。
「?おい、寝ないのかよ。」
「髪の毛乾かしてないの......」
「......あぁ」
(餓鬼だから、まだ自分で乾かせねぇのかよ......しゃあねぇな......)
百合の髪も乾かす宏光なのであった。
「......。」
その間百合は眠たそうにウトウトしていた。