第10章 -Episode2- 新しい家族
「っ......」
「ご飯無駄になる......食べ物を粗末にしちゃダメなの。
施設で習ったの......」
百合が宏光の服を行かせんとばかりに強く握っていた。
「宏光、せっかく家族全員が揃ったんだ。
太輔、どんな兄であろうとお前達の兄に変わりはない、口が過ぎるぞ。」
「っだってよ!」
「夕飯ができた、みんな席に着きなさい。
......宏光も、座りなさい。」
「......わーったよ。」
「......。」
太輔と宏光は渋々そうに席に着いた。
そして百合と裕太も席に着いた。
ちなみに百合宏光の隣に座り宏光をじっと見た。
「っなに、見てんだよ......」
「みんなで仲良くしないとダメなの。」
「っ......」
小さい餓鬼に言われっと、返す言葉がねぇ......
こうして無事に夕飯を済ませ...
「ふわぁ......」
ご飯を食べて眠たくなったのか百合は大きなあくびをした。
「今日はいろいろ疲れただろうからな、無理もないだろ(苦笑)
......誰か、百合とお風呂に入ってきなさい。
百合はまだ一人で入ることができないからな。」
「「俺が入る!!」」
「やっぱりお前達ふたりがいち早く反応したな(苦笑)
これじゃキリがつかん。宏光、お前が一緒に入ってあげなさい。」
「「「はあぁぁぁぁ!?」」」
「っなんで宏にぃなんだよ!」
「コイツが百合の面倒見れるわけねぇだろ!」
「なーんで俺が餓鬼の面倒みないといけないんだよ......マジかったりぃよ......」
「全くお前達は......百合の前でこんな喧嘩を毎日されては、
この先が思いやられるよ......百合、とりあえず今日は宏光と入ってきなさい。」
「うん、宏にぃ行こ。」
「......今日だけだぞ。」
「「......。」」
百合は宏光の手を引っ張り風呂場に向かった。
「パジャマはあとで置きにいくから、来ていた服はカゴに入れておきなさい。」
「はーい!」
「「兄貴(宏にぃ)ずりぃ......」」